同じ青菜でも、ゆでたあと水にとったほうがいいものと、とらなくていいものがある。「水にとったほうがいい」代表選手は、ほうれんそう。
その理由は、アクの強さにある。ほうれんそうのアクの正体はシュウ酸という成分で、鉄やカルシウムの吸収を妨げる作用がある。
つまり、体のためには取り除いておいたほうがいいもの。そこで、アクを抜くために水にとる。シュウ酸は水に溶ける性質があるので、ゆでて水にさらせば、ほとんど溶け出してしまうのだ。当然、アクが抜ければ食べたとき苦味を感じなくなる。
さらに、水にさらせば余熱で菓がくたっとなるのを防げるし、色鮮やかになるなど、他にもメリットがある。水で一気に冷やすというほんのひと手間で、歯ごたえも見栄えもよくなるのだ。

ただし、水耕栽培で作られるサラダほうれんそうの場合は、アクが少ないので、そのまま生食でおいしく食べられる。他の青菜の仲間はどうかというと、小松菜は、ほうれんそうよりアクは少なめだが水にとったほうがいい野菜の1つ。